高校生向けスパコンセミナー・講習会「スーパーコンピュータの最前線を体験しよう!」が開催されました

 7月14日(水)に、情報基盤センター主催による高校生向けスパコンセミナー「スーパーコンピュータの最前線を体験しよう!」が開催され、埼玉県立春日部高等学校、同 大宮高等学校、開成高等学校の3校から、引率教員も含めて合計89名が参加した。

 当日は講演(於工学部2号館)とT2Kオープンスパコン(東大)見学の2部構成で、第1部では石川裕センター長によるセンター紹介の他、古村孝志教授(情報学環/地震研究所)、森下真一教授(新領域創成科学研究科)に地震シミュレーション、ゲノム解読に関する講演をお願いした。生徒達が熱心に講演に聴き入り、高校生離れした鋭い質問を発するのが印象的であった。最早日常語となった「スパコン」であるが、身近な現象の解明に直接役立つことを初めて知った生徒も多かったようである。セミナー終了直後に各校の教員との意見交換の機会があり、生徒達の旺盛な知識欲に応えるには、「教員に対する教育」が重要であるという意見があった。

 この意見交換会を通じて、高校生向け並列プログラミング講習会の話が持ち上がり、8月23日(月)~25日(水)に3高校の生徒10名(教員2名)を対象とした講習会を早速実施した。参加者の多くは計算機やプログラミングの全くの初心者であったが、最終日には高度な並列プログラミングをマスターし、スパコンを使いこなせるようになり、高校生の知識吸収の速さに大いに驚いた次第である。

 情報基盤センターは、全学的なHPC教育のための「学際計算科学・工学人材育成プログラム」を関連部局と協力して推進しているが、大学院で並列プログラミングを学習しても、それを研究に結びつけることはなかなか難しい。今回、モチベーションと適切な題材があれば、高校生でも充分に並列計算プログラミングを理解、習得できることが示された。 今後も各高校、自治体と協力して今回の講演会、講習会のような催しを積極的に開催し、未来を担う人材の育成に役立てて行きたい。

熱心に聴講する高校生達(於工学部2号館213号室)

最終更新日:2010年9月30日