東京大学情報基盤センター

ニュース

ホーム > ニュース > 広域ワークロードシフトの実証実験をすすめています

広域ワークロードシフトの実証実験をすすめています

AI需要の高まりにより、データセンターの消費電力の増大に対応する技術開発が求められています。これに対する取り組みとして、東京大学ではグリーントランスフォーメーション(GX)戦略推進センターを中心に、電力(ワット)と情報通信(ビット)を連携した「ワットビット連携」の研究開発をすすめています。これは、電力需要に対して電力供給が少なく電力価格が高い地域のデータセンターから、電力供給が潤沢で電力価格が低い地域のデータセンターへ計算処理を移す「ワークロードシフト」を随時おこなうことで問題に対応しよう、というものです。

ワットビット連携の研究開発は多くの企業や他大学を巻き込んだ活動です。今回、この一連の取り組みに関連して、北海道大学情報基盤センターと共同研究をおこなっている株式会社MESH-Xが、東京大学情報基盤センターの計算基盤を用いたワークロードシフトの実験をおこないました。

今回の実験では、千葉県柏市の東京大学情報基盤センターに設置されたデータプラットフォーム mdx I 上の仮想サーバーと北海道大学情報基盤センターに設置されたサーバーの間を学術情報ネットワーク(SINET)で結んだうえ、JEPX(日本卸電力取引所)の北海道エリアの価格と東京エリアの電力取引価格を参照し、再生可能エネルギー余剰などの要因により安価になった地域へAI推論のタスクを転送する仕組みを構築しました。

2025年8月と11月におこなった実験では、実際にこの仕組みがうまく動くことが確認されました。タスクは Kubernetes注1 上のコンテナ内で動作しており、Kepler(Kubernetes-based Efficient Power Level Exporter)を活用したコンテナ単位での消費電力推定機能も実装されています。

本ワークロードシフトの実験について、東京大学情報基盤センターは mdx I の利用者支援の一環として協力しています。今後はGX戦略推進センターと協力して、このようなワットビット連携の研究開発により深く貢献していく予定です。

注1:Kubernetesは、複数の計算機でアプリを自動管理する仕組み。アプリと必要な設定を「コンテナ」とよばれる軽量な箱にまとめ、異なる環境でも同じ動作をするように管理をおこなう。