東京大学情報基盤センター

情報メディア教育研究部門

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概要

3万人が利用する大規模な教育用システムを企画・構築するとともに、情報基盤をとりまく多彩なテーマを研究しています。

人が力を発揮できる情報基盤をつくる

コンピューターの力を最大限に引き出して自らの活動に活かす――東京大学はこのための教育に力をいれ、教育に使用する情報基盤を早期から構築してきました。本郷・駒場・柏キャンパスには現在、1,300台を超えるPCからなる教育用計算機システム(ECCS:Educational Campuswide Computing System)が分散して配置され、登録されているユーザーはどこでも利用することができます。教養教育や専門教育で実施されるプログラミングの講義や演習に、数値計算やCADなどの専門的で多彩なアプリケーションを使った実習に、そして学生の自習の場として、ECCSは使われています。加えて、学内の情報発信や情報交換の基盤として、ウェブ、メール、DNSのホスティングサービスを提供しています。
広範にわたる研究分野と多彩な国籍の3万人の学生と教職員、そして地理的に離れている複数のキャンパス。その多様な利用者に、変化の激しいIT社会のなかでどのようなシステムをつくり、いかに効率よく安定して運用していくか。それを検討し、蓄えた知恵をオープンにしていくことは、私たちの活動テーマのひとつです。
その一方で、人に寄り添い、コンピューターの性能を引き出せるように、情報基盤をめぐる多彩な研究を進めています。

研究テーマ

プログラミング言語処理系

ソフトウェアの信頼性、安全性、性能を高めるプログラミング言語処理系の技術を研究しています。プログラムの間違いを自動的に検出する手法は、その後、通信プロトコルの実装の正当性を検証する方法にも発展しました。

ゲームプログラミング

ルールがはっきりしていて評価しやすいゲームは、情報処理の題材としてよく取り上げられ、アルゴリズム、探索、機械学習など、多方面の技術を発展させてきました。2013年、共同研究してきたGPS将棋がトッププロ棋士に挑戦し、好成績を収めました。

システムソフトウェア

BitVisor̶̶コンピューターのハードウェアとオペレーティングシステムの間に介在するハイパーバイザー(仮想マシンを制御するソフトウェア)を研究・開発しています。システムのセキュリティを高めるセキュアVM(仮想マシン)のほか、クラウド構築の要素技術の研究も始動しました。

教育支援システム

学習管理システムをはじめ、授業を支援するシステムを研究・開発しています。変わったところでは、学科のシラバスから機械学習の手法で教育の内容を抽出し、学科の教育の特徴を可視化する研究もしています。

エッジコンピューティングにおけるネットワーク技術の研究

端末により近い場所でサービスを提供する仕組としてエッジコンピューティング技術が注目されています。本部門では、エッジの計算機資源に効率よくトラフィックを誘導する仕組みなどを研究しています。