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東京大学が高性能計算ソフトウェア財団(HPSF)に加入

東京大学は2025年3月31日、高性能計算ソフトウェア財団(High Performance Software Foundation; HPSF)に日本の研究機関として最初に加入しました。東京大学情報基盤センター(本センター)が東京大学とHPSFとの連絡役を担います。

スーパーコンピューティングにおいて,演算加速装置であるGPUの利用は必須となりつつあり、その環境はより多様化しています。本センターでは、HPSFの諸活動の中でも特に、アプリケーションの性能を保ったまま様々なGPU環境で実行できる、性能可搬性を実現するプログラミングモデルKokkosに注目しています。将来的に様々なGPUに基づくシステムが導入された場合でも、Kokkosによって利用者の皆様のアプリケーションを容易に移植可能となります。

本センターでは、三木洋平准教授らが、指示文ベースでGPU向け性能可搬性を実現するSolomon (Simple Off-LOading Macros Orchestrating multiple Notations)の開発を進めています。将来的には,KokkosとSolomonの活動を連携させ、より利用しやすいプログラミング環境の構築を目指します。

日本においては,多くの計算科学アプリケーションがFortranで記述されていますが、KokkosはC++プログラム向けの環境です。Kokkosには試験的に開発されたFortran向けインタフェースもありますが、将来的には、Fortranで記述されたプログラムを全てC++に書き換える必要があります。本センターは利用者の皆様やHPSFのコミュニティとも協力して、10年単位の長期的スパンで徐々に移行を進めて行く予定です。